Africa Village Project

文責:渡辺敬太

 Africa Village Projectは今年で2年目を向かえ、2008年3月11〜28日の18日間、実際にザンビアに行き活動を行ってきました。

今年も昨年に引き続き特定非営利活動法人TICOさんの協力により、現在TICOさんが支援をしているフィールドで活動をさせて頂きました。今回は現地で4つの活動を行ってきました。男性の健康意識調査、TBA(Traditional Birth Attendant)調査、栄養調査、ORS指導です。

男性の健康意識調査:

2007年の調査としては、5歳未満の子どもを持つ母親に対してインタビュー調査を行いました。その結果、現地での実態や状況などを把握することができ、それをTICOさんの方にフィードバックし今後の活動に役立ててもらいました。その経験を踏まえ、今回はパートナーを持つ男性に対して聞き取り調査を行いました。男性というのは、家庭において力を持っている場合が多く、男性の健康に対する意識というのが、男性自身、それにパートナーや子どもにとって重要だと考えたからです。結果については、報告書を参照して頂きたいと考えているのですが、やはり学歴や収入などと子ども死亡率などとの相関が強くみられるなど、とても興味深い結果を得ることができました。

TBA調査:

ザンビアの妊産婦死亡率は750/10万対(世界子供白書2007)と高く、2007年の調査によると出産の78%が自宅であり、そのうちTBA(母親や親戚を含む)の介助によるものは約75%であった。また、医療施設での出産は19%で、そのうち医療従事者の介助を受けたのは、20%程度であったという現状を踏まえて、妊産婦死亡率が高い理由の一因にTBAの分娩介助の方法に何らかの問題があるのではないか、と考え今回の調査をインタビュー形式で行った。その結果、TBAの方々の知識量は私たちが考えたよりも豊富である、ということが分かった。しかし、その知識量や正確性についての差がTBAの方々の中にあること、また病院との距離的な問題による緊急時の搬送体制が今後改善していかなければいけない一つの課題であるということが見出された。

栄養調査:

ザンビアでは慢性栄養失調人口の増大が深刻になっており、UNICEFによる1996-2005年のザンビアの5歳児未満児乳幼児に関する統計によると、20%が標準体重に、50%が標準身長に達せず、死亡率は1000人当たり182人と世界で18番目に高い。これら乳幼児の発育不全や高死亡率の背景としては、貧困、衛生環境の劣悪さ、保健の不備、栄養不足、伝統的な食事習慣などが考えられる、という現状を踏まえ、まずはこの地域における栄養状態を把握することに努め、今回は小学校の生徒を対象に身長と体重、それに簡単な聞き取り調査を行いました。その結果としては、年齢に対する身長、体重、BMIの値がWHOの基準に満たない生徒が少なからずいるということが分かりませした。中には基準値に大幅に満たない生徒もおり、食生活と照らし合わせ原因を探るとともに、改善策を模索していく必要があると感じました。

ORS指導:

 2008年のプロジェクトでは、昨年に引き続きORSの指導を行いました。住民の方々がORSの作り方を覚えているかなどの再確認をするために、今回は昨年よりさらに細かく、詳細な部分まで行ってきました。指導の形式として劇を用い、内容として、?食事の取り置きによって起こる下痢症の紹介、?ORSの作り方のよい例と悪い例の紹介、?住民を入れてのORS作りの実演を行いました。?、?については、実際の住民の行動を反映させるために、事前にモンボシ地区のCHW(Community Health Worker)の意見を参考にして、劇の内容を作りました。また、?、?のよい例に関しては、手洗いからORSの作り方、与え方までの一連の動作を、事前にWHOなどのサイトを使って調べました。

 最初にした質問の結果、ORSを知っている人は17/26、ORSを作ったことがある人は3/26でした。劇が終わった後は、参加者全員が作り方と与え方を理解していました。

 普段はORSの粉が入ったパックを使用しているようですが、数には限りもあるので、塩と砂糖と水から成るORSの作り方を指導するのはとても意味があることだと、現地のCHWさんたちからも意見をいただいたので、今後もORS指導は続けていきたいと思います。

 今回は以上のような4つのプロジェクトを現地で行ってきました。これ以外にも、JICAの行っているHIVプロジェクト、TICOの支援している救急隊、学校などの見学も行ってきました。勉強以外にもリビングストーンにおける、ビィクトリアの滝の見学なども行ってきました。

感想:

古川彩香

人種が違おうと同じ人間なんだ、という当たり前のことを心から実感することができました。その一方で、それなのになぜこんなに生活が違うのか、という困惑も覚えました。

表面を見ただけでは幸せそうで楽しそうに見える人々も、あらゆる問題を抱えているということ、格差は内外だけでなく、内部にも存在するという事実を目の前で見ることもできました。

こうして感じ、学ばせてもらったことをこれからどう生かしていくのか、それが一番大切なことなので、ここからが勝負だと思って動きたいと思います。

小西康貴

今回のザンビア訪問で、自分のアフリカに対するイメージが 変わった気がする。

ありのままのアフリカに接することができ、アフリカのいいところも悪いところも、    すごく実感できた。ホントにこの3週間のザンビア訪問は短かったように思える。ただ、僕にとって、かけがえのない日々であったことは間違いないし、これからの自分の活動に大きな影響を与えるだろう。日本に帰ってからは、こっちにいて浮かび上がった、数々の疑問に対する答えを探しつつ、自分にできるところからアクションを起こしていこうと思う。また、日本にだって途上国にはない複雑な問題はたくさんあるだろうから、それらにも注目していきたい。

黒瀬喜子

ザンビアに行き現地での生活に触れていく中で、だんだんと最初に自分が見ていたものはほんの一部の表面部分でしかないことが分かりました。国際協力という観点だけではなく、どんなことを行うにもその背景・バックグラウンドを知り、何が必要とされているのかを理解することが大切であると思います。

この3週間の経験は私にとってかけがえのないものとなりました。さまざまなことを見て、知って、感じて、考えることができました。このプロジェクトに関わったすべての方々に大変感謝しています。ありがとうございました。

渡辺敬太

 今回このプロジェクトのプロジェクト責任者を引き受けさせてもらい本当によかったと思う。2007年の6月動き出した今回のAfrica Village Project 2008 (AVP08)。最初は本当にザンビアに行けるのだろうか?こんな私達で実際に現地に行ってしまって本当に大丈夫なのだろうか?と不安でいっぱいだった。しかし、皆と協力してプロジェクトを作り、勉強していくうちに、国際保健についていっそう興味が深まったように思う。そして、実際に現地をみてみたい。実際にどのような人がいて、どのような支援が行われているのか、知りたい。と、いう気持ちが日に日に強くなっていっていいたように感じる。

 そして、実際にザンビアの現実、普段の生活や、暮らしなどを見ることによって、本当に現地の方々は力強く、そして笑顔で暮らしているんだなって感じた。本当に彼らに支援は必要なのか、我々の助けなんて、必要なのか?!とも思うぐらいだった。でも、今回の調査を通して深く色々な人に話を聞くうちに表面上では見ることのできない、感じることのできない現実というものを垣間見るここができた。やはりこれらの現実を忘れてはいけない。将来そんな人たちのために、今からでも自分のできること、自分のしなければいけないことを、見つけていきたい。今回の研修で私はそう強く感じた。

最後になりましたが、今回のプロジェクトでは様々な方のご支援を頂きました。TICOの吉田先生を始めとする井形さん、五十嵐さん、など日本事務所の方々、現地の事務所の田淵先生や、山本さん、現地のムンバさん、チララさんを始めとするモンボシ小学校の先生方、ンコンデさんを始めとするコミュニティーヘルスワーカーの方々、現地でインタビューを受けて下さった方々、救急隊の方々、JICAの野崎先生、あげていったらきりがありません。これらの方々のご支援がなければ、今回のプロジェクトは成功に導くことができませんでした。本当に皆さんありがとうございました。この場を借りてお礼をさせて頂きたいと思います。

IFMSA-Japan Africa Village Project メンバー一同